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17 彼女の友達は恋多き女子で?

ผู้เขียน: 栗栖蛍
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-05-29 07:24:32

 ふわりと漂うコーヒーの香りに、ツンとしたアルコールの匂いが混じる。

 芙美が膝についた砂を水道で流すと、一華はピンセットで挟んだ丸い脱脂綿に消毒液をたっぷりとしみ込ませて幹部へと塗り込んだ。アルコールが染みて、芙美は「くぅ」と痛みを堪える。じわりという感覚は、小学校以来な気がした。

「痛ぁい」

「ふふっ。芙美ちゃん、もう少し我慢してね」

 一華は天使の微笑みを浮かべながら脱脂綿を何度もあて、痛みに悶える芙美を面白がっているようにも見える。傷口がびっしょりと消毒液に塗れたところで、

「このくらいかしら」

 じんわりと血の滲む脱脂綿を捨てて、一華は大きな絆創膏を貼り付けた。真ん中の白いガーゼをちょんと指で突く。

「これでばっちりよ」

「ありがとうございます!」

 芙美は頭を下げ、ふと柱の時計を見上げた。一時間目終了まではまだ10分も残っている。思ったよりあっという間の処置で、今戻れば再びハードルを跳ばなくてはならない気がした。

「戻りたくないなら、チャイムが鳴るまで休んでいく? あとちょっとだから構わないわよ」

「本当ですか! なら居させて下さい!」

 芙美の意を汲み取って、一華は「どうぞ」と立ち上がり、隅にある冷蔵庫から麦茶を出してくれた。チラリと見えた冷蔵庫の中には、薬瓶に紛れてお菓子の袋や箱がぎゅうぎゅうに詰め込まれている。

「ここ座るわね」

 一華は熊柄のマグカップを片手に、芙美の向かいに腰を下ろした。さっき智が座っていた場所だ。

 芙美はイチゴ柄のグラスに入った麦茶を一口飲んで、そっと彼女に聞いてみる。

「あの、先生」

「なぁに?」

「さっきの、本気だと思いますか?」

「付き合ってほしいって言われた事? 転校生の長谷部くんだっけ?」

 「はい」と芙美は頷く。

 一華とはこの間プールで会ったり学校外でも何度か顔を合わせたことはあるが、こうして話すのは初めてだ。智とのことを見られて気まずい気持ちもあるが、咲に相談すると大事になる気がして、まずは大人の意見を聞いてみたくなった。

「悪い人じゃないのは分かるけど、昨日会ったばかりでそんなこと言われてもピンとこなくて」

「芙美ちゃんも困っちゃうわよね。一目惚れなんて、彼よっぽど運命感じちゃったのかしら」

「本人はそうじゃないって言ってたんですけど、どうなんだろう」

 コーヒーにふぅっと息を吹き付けて、一華は「そうねぇ
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